のちに聖女と呼ばれた女の話

青く輝く館に住む魔女は、若い娘を生贄として要求する。
帰ってきた者はいない。
そう聞いていたから覚悟して行ったのに。

「早くお逃げ」

魔女は爛れた手で金貨の詰まった袋を差し出して言った。
逃げた先には他の娘もいる。幸せになれと言われて、私は逃げた。

かつて捨てた土地の滅びを知ったのは、数年後のこと。

住民の手足は魔女のように爛れ、
起き上がることができなくなり、
血を流しながら死んでいったと聞く。

私もあの街にいたら同じようになっていたのだろうか。
魔女はそれを知っていた?

尋ねることはもうできない。
若い娘の後には輝く石を集めるようになった魔女は、あれからすぐに死んでしまっていた。